PS4 Diablo3
「絶望せし者の石」の仕組み

パッチ2.3で追加されたレジェンダリージェム、絶望せし者の石(Bane of the Stricken)のまとめです。

2015/11/7更新 加筆修正
2015/11/9更新 PS4の実験追加

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概要

バージョン2.2では、高難易度になるとグレーターリフトのプレイ時間の半分近くがリフトガーディアン戦になるという状況だったので、それに対する修正の一環として新たに追加されました。効果内容からも想像できると思いますが、基本的に高難易度の対リフトガーディアン用のジェムです。GR60ぐらいから役立つと言われています。

2016/01/16追記:
インターナルクールダウンの話は2.4で改善(仕様変更)されたので過去記事です(読む必要はありません)。

lg_icon_Bane_of_the_Stricken
絶望せし者の石(Bane of the Stricken)

■基本効果
同じ敵を攻撃するたびに、その敵に対して与えるダメージが0.8%ずつ増加する
ダメージボーナスはランクごとに0.01%上昇する

■ランク25ボーナス
リフトガーディアンおよびボスに対するダメージが25%上昇する

ランク25ボーナス

基本効果は複雑なので、ランク25ボーナスから説明します。

ランク25ボーナスのダメージ計算は単独で乗算です。対象は書かれている通りです。

  • ネファレムリフトおよびグレーターリフトのリフトガーディアン
  • ストーリーモードおよび報酬クエストで出現するボスモンスター

ボスモンスターというのは、レオリックやブッチャーなどのいわゆるActボスです。検証はしていませんが、ヘルファイア関連のボスにも有効だと思います。

基本効果

簡単に言うと、攻撃するたびに弱体化効果が蓄積されていき、こちらの与えるダメージが少しずつ増していくという仕組みです。

ダメージ計算

  • 効果は加算で蓄積
  • ダメージ計算は単独で乗算

単純化した例
ランク0の「絶望せし者の石」で10回攻撃
0.8%×10→その敵に対するダメージが8%上昇
通常ダメージが100なら、100×1.08=108ダメージ

効果時間やスタック数の上限

いわゆる弱体化(Debuff)なので、アイコン等による表示がないため判別しにくいです。
仕様は以下のようになっているそうです。

  • エリア移動するまで効果は持続
  • 死亡した場合も効果は消えない
  • 異なる敵を攻撃してもスタック数はリセットされない
  • スタック数に上限はない

発動条件

■範囲攻撃スキルは、最初に当たった敵にのみ発動

■ペットの攻撃では発動しない
例外として、デーモンハンターのセントリー(スピットファイア・タレット)などでは発動するようです。

■一部の攻撃スキルでは発動しない
モンクの「烈風円陣」のようにダメージは与えても、ProcRate(Proc Coefficients)が設定されていないスキルでは発動しません。便利すぎるからということでしょう。

■インターナルクールダウンが存在する
攻撃速度の速いスキルでは攻撃回数=発動回数(スタック数)にはならないという話です。ただ、これはあまり気にする必要はなさそうです(2.4)。

参考資料
D3 MAX STATS Proc Rate
※2.06のデータです

マルチプレイやペット

■効果があるのは本人+本人のペットのみ
諸説あるようです。PS4で軽く実験したところ、本人のペットには恩恵あり、他のプレイヤーには恩恵なしでした。複数のプレイヤーが使った場合は、プレイヤーごとに別々に計算されると思われます。

インターナルクールダウン

連続で発動しすぎないように調整されています。ゲームバランス上の観点から、制約が設けられているということです。それがインターナルクールダウン(Internal Cool Down、ICD)です。内部クールダウンといえばピンとくるかもしれません。

2.4での仕様変更(暫定情報、未検証)

・ICDは動的に計算

 →テスト段階での開発者コメント(Wyatt Cheng氏)

Bane of the Stricken – Updates now with your overall attack speed

・特定スキルの攻撃速度が上昇する場合でも、ICD計算に反映されるようになった

 →2.4パッチノート

  • Fixed an issue that prevented some sources of Attack Speed, which only benefit specific skills, from reducing the internal cooldown of Bane of the Stricken

いわゆるスナップショット(snapshot)が不要になりました。普通にプレイすればOKのはずです。

過去記事:インターナルクールダウン

連続で発動しすぎないように調整されています。ゲームバランス上の観点から、制約が設けられているということです。それがインターナルクールダウン(Internal Cool Down、ICD)です。内部クールダウンといえばピンとくるかもしれません。

詳しく理解するには、攻撃速度関係の予備知識が必要です。

たとえばサンダーフューリーは、60/APSのICDが設けられています(小数点以下は切り上げ)。片手剣のAPSは1.4なので、何も補正がない場合のICDは、60/1.4=43Frameとなります。

絶望せし者の石(Bane of the Stricken)54/APSのICDがあるそうです。そのため、ベースフレームが短いチャネリング系スキルなどでは、毎回は発動しません。

一例を挙げると、ワールウィンドのベースフレームは20Frameですので、APS1.0の両手用メイスでも1秒間に3回ヒットします。しかしこの場合、絶望せし者の石のICDは54/1=54Frameなので、実際には1秒間に1回しか発動しないという訳です。

このICD自体は妥当なバランスになっていると思います。ただ、ICD判定が攻撃速度の動的な変化に対応していないという問題があります。

過去記事:ICDの補足

基本情報①

「絶望せし者の石」のICD判定は、エリア移動の際や、ポーションを使った際、死亡して復活した際、装備を変更した際にのみ行われるそうです。

The ICD on your Bane of the Stricken is snapshotted when you enter a zone, use a health potion, or revive.

一時的に攻撃速度が跳ね上がるようなクラス/ビルドには不利に働くということです。たとえば「飛龍杖」を使うジェネレーター系モンクとか、「ヴィアの驚くべきアルカナ」のウィザードなどがこれに該当します。

基本情報②

ICDの計算に使われるのは、キャラクター詳細画面の「秒間攻撃回数」(APS)の数値です。キャラクターの詳細画面に反映されない効果はICDにも反映されないということです。特定のスキルの攻撃速度を上げるタイプは全般的にダメだと思います。

例えばバーバリアンの不死王+「古の大槌」の場合は、「最初の人々の腕甲」によって「古の大槌」の攻撃速度が50%上がるため、別の手段で50%近く稼いでsnapshotしないと、実際の攻撃とICDがシンクロしません。シンクロを狙うなら、結局また「苦痛の触媒」を活用してみたいな話になります。

基本的には、攻撃速度が高い時にポーションを飲んでICDを更新し、「絶望せし者の石」のスタック数を、実際の攻撃速度にシンクロさせるという話です。ただこれ、ピンチの時にポーション飲んでsnapshotが水の泡みたいな感じがすごいするんですが、どうなんでしょうね。


情報源:

UPDATE: An in-depth guide to snapshotting
(下記のまとめ情報の追記版。ICDの情報などが更新されています)

An in-depth guide to Bane of the Stricken
(2.3リリース後のまとめ情報。ICDについての情報はこちらに書かれています)

Stricken stacking bug workaround
(Nubtro氏の検証情報)

Bane of the Stricken Testing + Mechanics
(DHで有名なwudijo氏の投稿。ただし、PTR時の記事なので古い部分もあります)

過去記事:PS4での実験

2015/11/09追加

プチ検証です。バーバリアンの「古の大鎚」を使って確認してみました。

■目的
・PC版で書かれている事柄(ICD、Snapshot)がPS4にも当てはまるのかどうかの検証

■概要
「最初の人々の腕甲」には「古の大鎚」の攻撃速度+50%がついています。これは秒間攻撃回数(表記APS)には反映されません。そのため「古の大槌」の攻撃回数と、「絶望せし者の石」のスタック数がシンクロしなくなります。これを題材にsnapshotできるのか等を確認してみました。
※表記APS=sheet APS → グローバルAPSというとわかりやすいのかも

■結論
「古の大槌」で試した限りでは、ICDに関してはPC版で書かれているのと同じ仕組みでした。ポーションとエリア移動によるsnapshotもその通りでした。ただ、実験方法とか私の理解が間違っている可能性もあります。

実験の説明

■場所とか状況
・Act1「追放された者の墓地」のスケルトンを攻撃してダメージチェック
・仕切りなおす時は「絶望せし者の石」の効果をリセットするため、ゲームを再作成
(エリア移動でもリセットされてましたが、念のためです)

■装備
・敵を倒さないようにするため、レア装備から筋力を削り、生命力を残す
・あらかじめキューブで「裁きの小槌」を装備(連続で攻撃するためのリソース対策)
・実験条件を変える時はキューブで対応またはスキルで対応(装備は変更しない)

■基本条件
武器=両手用マイティウェポン=APS1.1
装備による攻撃速度補正 0%

「絶望せし者の石」のICD
54frame/APS(小数点以下切り捨て切り上げ
今回の実験の基本ICD = 54 / 1.1 = 50frame

この状態なら攻撃するたびに「絶望せし者の石」が発動します。
10回攻撃すれば、10回分蓄積です。

下調べ1

「絶望せし者の石」のスタック数を確認するために、「レンド」を使ってダメージの変化を記録します。

「絶望せし者の石」を装備した状態で、レンドを撃ち、DoTの最大ダメージをメモします(DoTの効果が終わるまで待ってから、レンドを繰り返して、ダメージを記録)。
以下のダメージの値は、実験に使ったキャラの武器や、筋力の値、絶望せし者の石のランクなどによって変わりますので、意味はありません。スタック数を確認するための数字です。

攻撃回数DoTダメージ/tick
18879
28978
39076
49174
59273
69371
79469
89568
99666
109765
119863

下調べ2

初期状態での確認。

・古の大鎚で10回連続攻撃
・時間を十分においてから、レンド1回

これで11回攻撃になるはずです。
実際の結果は、レンドのダメージ=9863。上記の数字と一致しています。

「古の大槌」の攻撃回数=「絶望せし者の石」のスタック数=シンクロしている

「最初の人々の腕甲」の実験

・「最初の人々の腕甲」をキューブで装備
・古の大鎚で10回連続攻撃
・時間を十分においてから、レンド1回

「最初の人々の腕甲」は、「古の大槌」のスキルの攻撃速度+50%です。APS(表記APS)には反映されないので、ICDにも反映されません。そのためシンクロしなくなるはずです。

現在の「絶望せし者の石」のICDは先に計算した50Frameになっているはずです。

一方の「古の大槌」は、35frameです。そのため、2回に1回しか発動しないことになります(2回に1回はクールダウン中のためスキップされます)。

d3_bots_hota_frame
▲「古の大槌」の現在の攻撃Frame数はD3Plannerで確認

1回目の攻撃→スタック+1→ICD50Frameのカウントスタート
35Frame後に2回目の攻撃ヒット→ICD残り15Frame→スタック増加なし
70Frame後に3回目の攻撃ヒット→スタック+1→ICD50Frameのカウントスタート
105Frame後に4回目の攻撃ヒット→ICD残り15Frame→スタック増加なし
この繰り返し

実際の結果は、レンドのダメージ9371でした。6回分しかスタックが蓄積されていません。レンドの1回分を引くと5回で、「古の大鎚」の攻撃2回に対し1回しか「絶望せし者の石」のスタック数が増えていません。

snapshot実験1(エリア移動)

・町で「狂戦士の憤怒」(攻撃速度+25%)
・町で「ビッグ・バッド・ブードゥ」(攻撃速度+20%)(別アカウントのキャラ)
・攻撃速度が上がっている間にエリア移動
・変身とビッグ・バッド・ブードゥが切れてから攻撃開始
・古の大鎚で10回連続攻撃
・時間を十分においてから、レンド1回

■「狂戦士の憤怒」+「ビッグ・バッド・ブードゥ」による変化
→APS1.1 * 1.45 = 1.595
→絶望せし者の石のICD = 54/1.595 = 34Frame

「最初の人々の腕甲」を装備時は、1回の攻撃が35Frameでしたので、ICDがこれをぎりぎり下回る計算になります。このsnapshotが効いていれば、攻撃回数=スタック数になります(シンクロします)。

実際の結果は、レンドのダメージ9863でした。11回分スタックしています。ということで、エリア移動によるsnapshotは効いているようです。

snapshot実験2(ポーション)

基本的に同じような実験です。
・エリア移動してから「狂戦士の憤怒」(攻撃速度+25%)
・同時に「ビッグバッドブードゥ」(攻撃速度+20%)
・攻撃速度が上がっている間に、ポーションを飲む(スケルトンにわざと殴られる)
・変身とビッグ・バッド・ブードゥが完全に切れてから攻撃開始
・古の大鎚を10回連続で撃つ
・時間を十分においてから、レンド1回

実際の結果は、レンドのダメージ9863でした。同じく、ポーションによるsnapshotも効いているようです。

注意事項

これはあくまで確認の実験です。

たとえば今回の「古の大槌」で言えば、「苦痛の触媒」などでリフトガーディアン戦前に攻撃速度を50%近く稼いで、snapshotしないとシンクロしません(きっちり稼がないと無意味です)。また、途中でポーションを飲んでしまえばICDが再計算されますので、そこでおしまいです。実際にうまくできるかどうか、役に立つかどうかは別問題ということです。

P.S.なんかいつの間にか、マニアックな記事になってしまいました。私は高GRの攻略はまだやってないので意味なしです(笑)

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